* 風のよりどころ *
トンパという奴とレオリオが何度か反発していたが、順調(?)に進んでいった。
そして再度右と左の分かれ道が現れ、そこでの多数決は3:4で左となった。
左の法則といい、左のほうを人は選びたいのだとクラピカとトンパが言っていた。
無論、私は3人の側だが。
だって、なんで左のほうがよく選ぶというのに右を選ぶ必要があるの。
左に進み、次の部屋はあけっぴろく開いていて、他の部屋より断然広かった。
中央に四角いリングがあった。その他に床といえる物はなく、上にも下にも突き抜けていてどこまで続いているかわからない。
「見ろよ」
遠くの向かい側には布に体を包んだ人が7人いた。
そのうちのリーダー格であろう、体格の良い男が一人言葉を放った。
「われわれは審査委員会に雇われた『試験官』である!!
お前達は多数決、すなわち4勝以上すればここを通過出来る!!
戦い方は自由である! 受けるか否かを採決されよ!」
7:0での満場一致。(当然)
むこうの一番手はルールの説明をした大きな男。 顔だけしか見えないが無数の傷跡が見える。
そしてこちらの選手は手を挙げたトンパさんとなった。
強いのだろうか、と思い悩んでいたが結局デスマッチ開始直後に降参を宣言してしまいこれでこちらは一敗となった。
ギタラクルから少し殺気が漏れたのはもはや言うまではないだろう。
は聞いてなかったが、クラピカが聞き取った話によると彼らは超長期刑囚だそうだ。
受験者達を足止めする時間により、彼らは刑期を短くしてもらえるらしい。
凄い、ハンター試験の試験官さんってそんなこともできるんだ。
ハンターって有名な職業なんだなあ。
次の相手がフード付きの布を脱ぐ。 出てきたのは黒髪で背もさほど高くは無く、細っこいというよりやつれている感じのする男だ。
それを見て元気にゴンが手を挙げた。
「次はオレが行くよ! だって次の人あんまり悪そうじゃないし」
「それでも犯罪者だっつーの」
キルアが即座にゴンに突っ込んだ。 その男は爆弾魔らしい。
でもゴンいいな、能天気さ(?)が。 清々しいくらい。
それにしても個々で戦わなきゃいけないってことは、私も戦わなきゃいけないってことだろうか?
そんな事を思っているうちにゴンは機転を利かせて爆弾魔に勝利した。
「じゃあね、次私が行っていい?」
ゴンが爆弾魔と戦っている時に考えたことを言ってみると、皆押し黙ってしまった。
なんとギタラクルまでカタカタをやめてしまったのである。
「なによ、駄目?」
「いや、オレらが戦ったところ見たことねーから、戦えんのかなーって。 ずっとヒソカとそいつに助けてもらってきてただろ?」
そいつとはもちろんギタさんのことだろう。
キルアの言うとおりで、ハンター試験で戦ったりした記憶は一度もない。
それにしても戦えるのかって酷すぎだよ……キルア。
「でもさ、だってハンター試験を受けにきたんだし。 強いはずだよ!」
「ふむ、違う風に考えればあのヒソカをあごで使っていたということになるしな」
ゴン、君はなんていい子なの。 そしてクラピカ、なんかそれは違う気がする。
……まてよ、ギタさんは私が戦ったところくらい見たことあるはずだけど。 なんでカタカタ止まったんだろ。
疑問はちょっと脇に置いておいて。 私の相手は誰だろうと出てきた橋を通りリングへ向かった。
向こうからも一人歩いてくる。
背は高いが、細身だ。 女性だろうか?
マントを脱ぐと、男が出てきた。 そこそこキレイな顔をしている。
「オレはバクテラ。 君はとても可愛い顔をしているね。 欲しいなァ……」
ぞぞっと背中を寒いものが走る。 この感覚は誰かをはじめて見たときに似ているかもしれない。 誰だっけ……。
「オレは死体収集家なんだ。 キレイな死体が好きなのさ。
一応220くらいは集めたけど……またほしくなったなァ」
そうだ……この感じはヒソカだ!
ヒソカが念…つまり戦いより死体に興味を持っていればこうなっていたのね。
良かった、この人が戦いに興味持たなくて。 もし持ってたらヒソカが二人だよ。
クックック◆ とか二人でハモって笑ったりして。 うわぁ、ちょっと想像したくない。
「じゃあ……デスマッチでいいかい?」
この人の間の取り方なんか嫌だな。
コクリと頷く。 皆のやめろ、という声が聞こえたので大丈夫だよと振り返って手を振ってみる。
因みにいうと私の武器は銃とクロロに貰ったベンズナイフである。
この行動範囲の決まってしまうリング上ではどうしても近距離になるだろうから、ナイフでいくことにする。
さっと構えると向こうも構えた。 手には何も持っていない。
「えっと…… 私は武器使うけど、バクテラさんは素手でいいの?」
「ん? 別にかまわないよ」
「そう? じゃ、行くけど。 後で文句言わないでね」
構えを取りすたすたとバクテラに近づく。 この人は完璧に私をなめきっている。
負けるなんて一ミリ足りとも思ってない。 少しムカっときた。
そして手を伸ばせば届く位置に来た。
バクテラの方に片手の手のひらを伸ばす。
エアブレス!! (7:3!)
私の念、エアブレス【風の恩赦】は単に気持ちをよくするものと、肉体・念・その他もろもろをパワーアップする力の二つに分かれる。
何もしなければ5:5なのだが、今は7:3。
何故かって? というか何故他を補助する念を使うのかって?
当たり前。 それをすれば勝てるから。
相手の構えが少し下がったときに、私は動いた。
すっと近づき、バクテラの首にナイフを押し当てる。 バクテラが動こうとするが許すはずもなく、私はつぶやいた。
「まいったって言っ 『勝者バクテラ!!』 ……は?」
私のつぶやきを遮ってルール説明をした顔に傷のある男がバクテラの勝利を口にした。
なぜ、何故、なにゆえ。
「なんでよ! どう見ても私が有利じゃない!」
遠いので声を張り上げる。 どう考えても私のほうが有利だったはずだ。
『お前は参ったといった!! 参ったもしくは死ねば負けのデスマッチだったはずだ!!
つまるところお前の負け!ということになる!!』
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オリキャラキタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !!
すいません。 もう一人くらい出ます。
鼠「なんだい、イルミ君。 そんなにこっち見られるとォラ死ぬ。(殺気で」
イルミ「なんで、とオレを二人にしなかったのかなーって思って。 そっちの方が簡単じゃん」
鼠「え、だって。 危ないじゃん? 襲われそうで」
イルミ「別にヒソカじゃないんだからそんなこと ……。」
鼠「え、何その無言」
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