* 風のよりどころ *  ー10ー





「生きて 下まで降りてくること。 制限時間は72時間」




それが三次試験の試験内容!

床もだが側面も真っ平らな丸い煙突みたいな建物だ。 どうやら隠し扉にて下へ降りるらしい。 何人か扉で降りる人を見た。ヒソカも降りていった。

私を抱えているのは今はイルミだ。また、腕に座らせてもらっている。コレが一番楽だ。


ガクッ


「きゃ、 ちょっ イルミ!?」


ガコン


安定して歩いていたイルミが急にゆれた。

隠し扉の上を歩いちゃった、とか?

そのまま下に下がっていって、一緒に落ちるって思っていたらイルミが落ちた時点でロックがかかってしまう。

下に行けなくなってしまった。

(゚д゚)д゚)д゚)д゚)д゚)д゚)σイーケナィンダーイケナィンダー♪

まてまて。なんか違う。


「えぇ…… 一人で行かなきゃなの〜?」


とっても面倒だ。しかもコレ契約違反だ、いや、不可攻略?

周りの床も見てみるとあれや意外、いくつも扉があった。

うう……どれに行こうかな。

悩んでいてもしょうがないので、複数の扉のうちイルミが落ちたのに一番近い扉に入った。


ガコン

ストッ

カタカタカタ…………


「あれ? イルミだ!」

、良かった」

ところで…

「ここって出口ないよね、どうするの?」

「カタカタ……何か書いてある」



        ●多数決の道●

┃君達7人は ここからゴールまでの道のりを┃
┃                           ┃
┃多数決で乗り越えなければならない     ┃



「7人? 二人しか……」

「降りてくるのを待つんだろ。 他にもあったし、扉」


○×ボタンがついているタイマーが人数分用意してあった。

とりあえず、私達はそれをつけて待つことにした。 むろん、抱っこの状態で。


「ねー イルミ」

「カタカタ………… 、人来るんだからギタラクルで呼んでよ」

「オッケー。 じゃあギタさんね。 7人とか……殺しちゃ駄目だからね? 失格になるし」

「わかってるよ」

他愛も無い話をしようと思っても、イルミ……もといギタラクル相手じゃすぐに途切れた。



「来ないねぇ」

シビレを切らしてそう言ったとたん、ガコンという多数の音が頭上からした。

来たかな、しかも団体さん? 四人だ。 それぞれ個性豊かな落ち方をして落ちてきた。

「くそ〜〜 どこを選んでも同じ部屋に降りるようになってやがったのかよ」

あ、頭から落ちたのはレオリオだ。 他の人は普通に降りられていた。


「あれ? だ。 先に来てたんだね」

「うん。 ここね、多数決の道っていって、7人で進むみたい」

「カタカタカタ……」


…ギタさんはなんかスルーされたみたい。今の姿を見ればまぁ気持ちわかんなくもないけれど。

皆も、説明を読んだ後タイマーを腕にはめた。


「もしかして、あと一人誰かがこの部屋に降りてくるまで我々はここから出られないんじゃないか?」

『そのとおり』


クラピカが言った瞬間、スピーカーから声がした。

マイクか何かついているんだろうか。 というか何十人も受験者いるのに……何人試験官いるんだろう。


『多数決の道、たった一人のわがままは決して通らない!

 互いの協力が絶対必要条件となる難コースである。 それでは諸君らの健闘をいのる!!』


スピーカーから流れた言葉にあたりがシーンと静まる。

「くそォ 待つしかねーか」

私はちょっとギタラクルの腕の中から出た。ちょっと話したい人がいたから。

クラピカの前に正座してみる。


「ねね、」

「なんだ?」

「キレーだね クラピカ」

「……何を言っている」

「私、キレーな人大好きなんだー。 サラサラしてる金髪もキレーだし」

「………………」


ただ単にそう思っただけだったのだが、彼はうつむいてしまった。

ほんと、サラサラーー


「まぁ、綺麗っちゃキレーだな。 女みてェな顔してるし」

「レオリオ、そんなに殴られたいのだな」

ガバッと顔を上げてクラピカはレオリオを睨んだ。 ちょっぴりだけれど殺気が出てる。 そんなに嫌なのかな。


「これからの試験、顔だけは傷つけないように気をつけてね」

「(顔だけ…) …………善処するとしよう」


なんかさらに落ち込んだ風だ。変なの。 まぁ、キルアやイルミも傷つけてほしくないけど、ゾル家だもん。 ちゃんと治るよね。


「あ、もし怪我したときはすぐに私に言ってね」

「何故だ?」


念で治せるから! おっと、まだ受験者は知らないから言っちゃいけなかったね。


「なんででもー」

「…カタカタ、


今まで黙っていた(カタカタとは言って(?)いたが)ギタラクルが急に話しかけてきた。 その行動に私を除く皆は一瞬、驚いていた。

やっぱり顔か。


「ギタさん、大丈夫だって。 お仕事には影響しないよ、それくらい」

「カタカタ…………それならいい」


むぎゅーとギタラクルに抱きつく。 釘がちょっと痛い。


「喋るんだな、あのカタカタいう奴」

「うん、ちょっとびっくりした」


カタカタいう奴って少し酷くないかなぁ…でも名前わかんなかったら仕方ないか。

雑談している間に随分と時間過ぎ、ようやく一人部屋に入ってきた。 トンパさんといって、ゴン達とは知り合いみたいだ。


これで7人となる。


扉がひらいた。















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カタカタ言う奴。

イルミと知らずにギタさんをはじめてみたときの自分の感想です。



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