* 風のよりどころ * −8−
「何やってたの?」
「んー会長のジイさんとボール取りごっこ。 まだゴンがやってるぜ」
「ほんと? 見にいってもいいのかな」
「いいんじゃねー?」
「そういえばキルア汗だくだね。 疲れてるんだ?」
汗だくでもその若く幼い体からはキツい臭いは漂ってこない。
若いからだろうか、キルアだからだろうか。前者ならば将来キツくなるのだろうか。
イルミとかの汗かいてるとこ見たことないし……。
明日も試験の続きだよね、疲れなんてゾル家なら残らないと思うけど……
ええい、ちょっとだけ使っちゃお。ごめん、イルミっ
エアブレス!!
効力は近づくほど強くなる。
そっとキルアの頭に手を添えて自分のほうに寄せる。
おでこ同士ぶつかった。
「キルア、明日も試験なんだからしっかり寝て?」
「おっ ……おう」
キルアはばっと体を外すと顔を伏せて走っていった。
んー…恥ずかしかった、のかな? 私くっつくのが仕事だから慣れちゃったのかな。
駄目ね、女たるもの恥をもたねば!(違
ゴンがネトロ?トトロ?いや、これはジブリか。 えーと、、、そうそう、ネテロ会長と戦っている部屋に入った。
これまた汗の臭いがプーンと漂っている。 それでも一人分だ、ゴンのだけ。
犬みてぇって言ったキルアの言葉(言ってねぇよ。考えただけだ)が思い出される。
ボール取りごっこって言ってたっけ。
あのネテロ……会長さん本当に遊んでるー。 まぁ、ゴンも楽しそうにしてるからお互い様ではあるんだけど。
ほけーっと見ていると突然ゴーンという大きな音がした。
「やったぁー!! 勝ったァー!」
ゴンはそう叫ぶとパタン、と倒れた。
ええっ!? 倒れた?
そそくさと駆け寄る。 ゴンの開いた口規則正しい呼吸が聞こえてくる。
寝てるだけか、良かった。
会長さんは会長さんで電話をしていた。 おそらくゴンのために、睡眠時間を取ろうとしてのことだろう。
でも、私もやろうと思ったんだけどな……。 やろうかな、やっぱり。
がゴンに両手の手のひらを向けると、後ろを向いているはずなのに見えているかのごとく会長さんが静止した。
「とやら、その力は使わんでいいんじゃないか?」
「何故、ですか?」
「おぬしも疲れるじゃろうに。 明日も仕事と聞いたがのう?」
「何でソレを… ……さすがは会長さんですね」
私がそう言うと会長さんはふぉっふぉっふぉ、と笑いを上げた。
「まだまだなめんでほしいのう」
「では、お言葉に甘えます」
それでもこんな所に寝かせていては冷えちゃうかな、と思った。
でも皆(キルアやクラピカ)がどこにいるかもわかんないし。
というわけで、私の部屋に寝れて行きました。
はゴンをベッドに寝かせ、自分も服を着替えてそれに入る。
あ、ヒソカのところに行くの忘れてた。
朝になったら行こー…………
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